Lost in Australia 

オーストラリアから 映画と英語と暮らしのことなど 色々と

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バベル - 現代の病 コミュニケーション不全

今 菊池凛子さんの ゴールデングローブ助演女優賞の可能性が 話題になっている映画 バベル 昨年末に観ました。

ホリディシーズンに入っていたので 劇場は満員。
でしたが 映画が進むにつれて 退場者続出。
ティーンエイジャーたちが

「外暑いし 暇だし どっか涼しいとこで暇潰そうよ」

と 選んだのでしょう。
ぽかーんと観るには 重すぎるし 楽しく明るい映画がお好みの一般オージーには ちょっと時間軸が前後してたり、と 構造が複雑な映画
とはいえ 前のアモーレス・ぺロスとか 21gに比べたら 随分わかりやすいようにも 思いましたが。

あらすじはきっとあちこちで紹介されているので省くとして 監督の言いたいことがものすごくはっきり わかりやすく 提示されているのが 嬉しい。

現代社会は 言葉が共通していようが いなかろうが コミュニケーションが阻害されている

というのが それ。

その原因を探ろうとするのではなく コミュニケーション不全による フラストレーション、悲劇を 淡々と描写して監督の考えを押し付けようとしないのが メインストリームの映画とは 異なっています。

コミュニケーション不全 と 一言で言えば簡単ですが それは 言葉の違い 障害 といった 明らかなものだけではなく 政治的立場 社会関係的立場 自分の身の安全 育ってきた環境の違い といったものから 兄弟 親子 夫婦といった 最も近しい関係にも 感情的な問題から 生じます。マクロからマイクロまで 様々な形のコミュニケーションの行き違い が 提示され 観客が登場人物の誰かに どこか 自分との共通点や 共感できる点が見出せそうです。

気持ちを通じ合わせたいのに どうしてもできない。
自分の意見を言いたいのに どうしてもそれがいえない。

そこに悪意はないのに 運命のいたずらで 悲劇が起こってしまう という展開は ドキドキさせられますが 一番よかったと感じたのは 日本と 日本人の 描き方。

多分 監督がメキシコ人だからでしょうか いわゆるメインストリームというか 先進国というような国の監督が撮って来た バイアスのかかった「日本」ではなく 今の そのままの日本が 紹介されているように感じました。

とはいえ 日本人であるジブンにも 真昼間 人通りの多い公園で 高校生が戯れている というのは ものすごく不思議でしたけれども トウキョウ という場所では きっと普通なんだろう と ちょっと 異邦人気分を味わいました。

一番 一般的にドラマティックなのは ブラッド・ピットが出演している アメリカツーリスト編ですが 一番悲しくなるのは モロッコ親子編。

日本編も アメリカン編も 最後は希望をなんとなく持たせるように 終わりますが モロッコ編は ただただ 悲しい。誰も悪意はないのに ただただ 運命は過酷な試練を与え続けるわけです。
メキシコ編も 同様に 主役であるメキシコ人家政婦が 間違った選択をし続けた結果 悲劇的な結末を迎えます。

この映画の中では 4カ国にわたる登場人物が全て 同じように試練を受けています。
浅薄さのせい よく考えなかったせい 何かを見逃していたせい 自分の感情のみにおぼれたせい 障害のせい。

理由は色々ありますが どれも普通に私たちが 普通の生活でしでかすような とりたてて重大とは思えない出来事が 悲劇へとつながっていく様子が お互いにからみあって 見事に描かれていました。

そして 4カ国のどれもが 現代社会の抱える問題を 浮き彫りにすることを 惜しみなく 観客の甘さにつけこむことなく 真面目に 客観的に描こうとする監督の姿勢が 本当に好ましい映画でした。

くどくど書くより 実際に観ていただいたほうが 絶対よい映画です。
俳優さんたちの演技も素晴らしく ブラッド・ピットって この調子で行けば きっといい俳優さんになるのかも とさえ 思ってしまいました。
個人的にファンである ガエル・ガルシア・ベルナル君が あまりにもメキシカンなノリで出てきて 先日観た ハッピー・フィートのアデリーペンギンたちに つながってしまいそう。

と くだらないことを書きました。

バベルは 悲劇的な映画ではありますが、

「泣け!泣け!」

という声が 聞こえてくるような撮り方ではなく ドキュメンタリー的 とでもいうか。

運命の前には 人間など無力。
だけど 生きていかざるを得ない。
そして 人間は 一人では生きていけない。
そのことを よく 考えよう。

そういうことです。

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| エイガ | 07:35 | comments:14 | trackbacks:2 | TOP↑

これ見たいと思っていたんですが、期待を裏切らなさそうな映画ですね。見に行くの楽しみです。

| Key | 2007/01/15 22:38 | URL |

Keyさんへ

全体的に ずーっと緊張状態が続きます。メキシコ編が一応 緊張をほぐす役割を果たしていますが それも長続きせず・・・。後は 劇場で どうぞ。

| プリシラ | 2007/01/16 07:03 | URL |

観たかったんです

読んでますます観たくなりました。
不全・・・今、コレ、一番問題なんじゃないか?とさえ思ってます。私もなんですがw
たまにたむろってましたが、高校生には見えなかったの大丈夫でした!って違いますねスミマセン。
・・・でも映画館には・・・高いです。本当に。
今月の映画枠内のお金はもうありません・・・。

| おこうちゃん | 2007/01/16 21:51 | URL |

おこうちゃんさんへ

>今月の映画枠内のお金はもうありません・・・。

大丈夫、GW公開だからw
多分、香港とか旅行されるお知り合いがいたら、DVD買って来てもらったらよいのでは?正規版かどうか保証できませんが・・・w

たむろってましたか~。青春 って カンジですか?

| プリシラ | 2007/01/17 13:54 | URL |

高層マンション

こんばんは。

この映画、
後になってじわじわ効いてきました。
<バベル>とは、
神に近づこうとした人間が建てた塔。
と言うことは、
あの高層マンションは
やはりそのメタファーでしょうか?

| えい | 2007/01/28 19:40 | URL | ≫ EDIT

えいさんへ

これ 後になって ああだったのかな こうだったのかな って 考えますよね。

>あの高層マンションはやはりそのメタファーでしょうか?

って 書いてある評を こちらで見かけました。えいさん 鋭い!

この塔に集まった人々は 世界に拡散するのを 防ごうとするため だったそうですから あの塔での二人の姿は 同じ言葉を話すようになったことを示している と 解釈してます。

| プリシラ | 2007/01/28 19:53 | URL |

バベルのテーマ

コミュニケーション不全ですか、、そうかもしれませんね。旧約聖書の中のバベルの塔の続編っていう感じですね。

私は、天にまで届けるはずと思ってしまった人間の傲慢に対する警告、と受け止めました。えいさんと同じく、たびたび強調するかのように登場する高層マンション(現代のバベルの塔)からの景色、壁に飾られた動物の剥製が他の生き物と自然を共有するのでなく、世界を支配しようとしている人間に対する警告のように思えました。まさにラストのあのマンションがバベルの塔ですよね。

| レドンドビーチ | 2007/01/29 17:18 | URL |

レドンド・ビーチさんへ

はじめまして。コメントどうもありがとうございます。

天まで届くバベルの塔は 人の傲慢さを表す は どこでも書いていますね。多分そうなのでしょう。でも 創世記には 人々が世界に散らばされるのを避けようとバベルの塔に集結した という 話があるそうなので もしかしたら そのことも同時に含めているのかな と。色々多重に読み込める映画って そんなにありませんね、最近。

レドンド・ビーチさんは 日本の描写 お気に召さなかったようですね。でも ああいう見方が 世界では一般的かな とも感じました。それに お金持ちの話で アメリカやイギリスだけでは やはり 話が全世界というには偏ってしまうし 香港や上海にもあれくらいのお金持ちはいるだろうけれど ああいう描写ができるのは やはり日本という国の特質だと思うし 悲しさも伝えられるのは よその国の文化より 日本かな と 勝手に思っております。

| プリシラ | 2007/01/30 23:03 | URL |

最後のメモが気になる!

| わさび椎茸 | 2007/02/24 19:05 | URL | ≫ EDIT

わさび椎茸さんへ

はじめまして。

あれ 何書いてあったんでしょうね?
気になりますよね~。
最後でわかるかな?って 思ったけど 謎のまま。
上手ですね~。

| プリシラ | 2007/02/24 22:05 | URL |

こんにちわ

たいへん素晴らしい作品でした。
話題になっているからって安易に観に行っても、決して楽しめる
作品ではないので、特に映画好きでもない人たちにとっては
いささか戸惑い混乱する作品かとも思うのですが。

出来れば、アレハンドロ監督&ギジェルモ作品がお好きな
ホントの映画好きにじっくり観てほしい映画と思いました。

東京の描写はほとんど違和感がなくてよかったと思います。

| 睦月 | 2007/04/10 20:01 | URL |

睦月さんへ

こんにちは。
睦月さんの感動が伝わってくるようなコメント 興味深く拝見させていただきました。
確かにヒトを選びますよね・・・。
それでも あの4組のうちに 誰でも共感できるものが 見つかるのではないかと思います。

東京ってあんなとこなんだなぁって 日本人のワタシまで思ってしまいましたヨw

| プリシラ | 2007/04/10 20:18 | URL |

観た人の数だけ『バベル』はある。

プリシラさん、達也です。
いつもリンクありがとうデス。
こちらも貼らせていただきました。
さて、『バベル』を試写会で観ましたが、
実に映画らしい良い作品でした。
先日観たリリー・フランキー原作の『東京タワー』にも、
映画では明かされない手紙のシーンがあるのですが、
凛子の手紙は、きっと観た人の数だけ心に
書かれるのだと思います。そしてそれは、
きっと絶望的な内容ではないと思わせてくれました。
ショッキングなシーンは、ちょっと日本受けしないかも・・・
でも、日本でこそ評価して欲しい映画でもあります。

| TATSUYA | 2007/04/25 01:22 | URL | ≫ EDIT

TATSUYAさんへ

こんにちは。
お久しぶりです☆

バベル いい作品でしたよね。
でも 万人受けする作品ではなさそう・・・。
結構評価が 分かれそうですよね。
でも そういう方が好きですね☆

| プリシラ | 2007/04/25 14:32 | URL |















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