Lost in Australia 

オーストラリアから 映画と英語と暮らしのことなど 色々と

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【映画感想文】悲しみが乾くまで

ちょっぴり涼しいブリスベンからこんにちは。

とはいえ まだまだ暑いのと
昨日夜遅かったのでぼーっとしてるため
たまってる映画の感想文を書いておくわけです。

そんなわけでずいぶん前に観た
ごひいきスザンネ・ビア監督の作品↓
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(2009/01/09)
ハル・ベリーベニチオ・デル・トロ

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この配役とストーリーライン
実は スザンネ・ビア監督 ハリウッドでの Brothersのリメイク
自分でやるならこうよ! っていう主張なんじゃないでしょうか。

もちろん立場 主人公たちの関係は微妙に違うけど

Brothers               悲しみが乾くまで
まっとうな軍人さんの兄      まっとうな建築家の夫
刑務所行って社会復帰中の弟  麻薬中毒でリハビリにはげむ友人
お兄さんの妻(二人の子持ち)  妻(二人の子持ち)

と まあ見事なまでに似通ってる。

そして 物語の途中で 兄=弟 は 消えてしまい
残された二人は 消えた兄=弟 という共通点を軸に
最初の反感を乗り越え 気持ちを通じ合わせる

という形も著しく似ている。

ただし Brothersでは兄は実際には生きていて
しかも帰ってきたときにはトラウマから性格に破綻をきたしていて
それが 残された家族に与える影響といえば

という設定は こちらにはないのが この作品をBrothers より ちょっぴりドラマ性に欠けた
ある意味ありふれた映画にしてしまっています。

ま 死んじゃいますからね。
生き返らせるわけにもいかないし。

だけど役者さんたちはどれもすばらしい。
特に 根本的に善人で それゆえに命を落とすことになってしまった夫役
デビッド・デュカブニー

Xファイルとか セックス中毒とか まあいろいろありますけど
心の底から善人で あくまでも前向き
すべてをいい方に解釈する

そんな人でも不幸に遭う

という この映画のテーマである 
世の中の不条理性
を象徴するこの人の温かさ 善良さがよくわかります。

だからこそ いつまでも残された人たちは
喪失してしまった「悲しみ」を乗り越えることができない

でも 残された人の持つ思い出が
それでも人生の不条理を受け入れ
前に進んでいくことができる

その推進力となる重要な役回りは この人以外では
伝えられなかったんじゃないでしょうか。

ハリー・ベリーも ベニシオ・デル・トロも
演技上手な役者さんと認められてるけど
デビッド・デュカブニーも 実はその中に入れてもらって
いいんじゃないでしょうか。

一生Xファイルかもしんないけど・・・・。

こうした役者さんたちに比べると
正直 ハリウッド版Brothersの

ジェイク・ジレンホールも
トビー・マグワイヤも
ナタリー・ポートマンも

それぞれいい役者さんだし演技も上手ではあるんだけど
なんというか
重ねてる年輪が浅い
そこまでの深みがこの人たちの中から匂ってこない

それがスザンネ・ビアのキャスティングから
なんとなく伝わってきます。

ビア監督が認められるようになったオープン・ハートでは
若い役者さんが使われてますが
それは 若い人の持つ 
いい意味でも悪い意味でもの傲慢さ
衝動性
そんなものを使いたかったわけで
どうもアメリカ版の配役を見ると
どっちかというと

「この人たちならお客を呼べるよね 豪華キャスト!」

みたいなのが見えて
どうなんだろー…と。

映画そのものからははずれてしまったようですが
作品そのものは最初にも書いたとおり
「Brothers 私ならこう撮る!」
という 監督からのメッセージなのかな って感じ。

しかし ベニシオの役 麻薬中毒じゃなくて セックス中毒にしたら
もうちょい変化球になったかな
とも思ったけど
基本的に 壊されていたコミュニケーションの再生 というテーマを扱うビア監督
その一環としてオープン・ハートで取り扱ってしまったし
男女間のコミュニケーション
夫婦 兄弟間のコミュニケーション
親子のコミュニケーション
と すでに大体やってしまったので
なかなかネタがないのかなー というのも正直な感想。


だけど 観終わった後に 
じんわりと暖かな感情がしみ出てくるのは
やっぱりこの監督ならではのもの。
そして 人間の善意というものが本当に存在すると信じたくなる終わり。

原題の Things we lost in the fire というのは 映画中にハリー・ベリーが語る
なくなった夫が 今はベニシオに住んでもらっているガレージが火事になった時の
エピソードから。

ものはなくなってもまた買えるけど
人間やそこにある関係は なくしたらそれっきり

ということなんだろうけど 
個人的には たとえばそのものが大事な誰かにもらって 二度と会えない という状況なら
同じように深い喪失感に駆られるような気もするんだけど
でも 説得力はあるセリフ。
と同時に 悲しみはいつまでも残るけど
それを乗り越えていく人間の強さ と それに一役買う 恋愛という枠組みを超えた
人間同士の思い というのは 本当にこの監督が一生追求し続けるテーマなんだろうな。
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| エイガ | 14:03 | comments:0 | trackbacks:1 | TOP↑















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