Lost in Australia 

オーストラリアから 映画と英語と暮らしのことなど 色々と

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【映画】ブレイブワン

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ジョディ・フォスターって 子役から見事にいきぬいた稀な女優さん。
演技も上手だし 監督もできる。
しかも名門大学まで出た才媛。
しかし ストーカーにつきまとわれ 暗殺者まで出ちゃったわけで それから男嫌いとなり レズビアンになってしまったという噂を聞きますが 同情に耐えません。
しかも 子供の頃の映画 少女売春婦とかだし。

最近ではお母さん役とかやってたりもしますが 美しく年を重ねているような気がします。
そんな ジョディの最新作 観てきました。
The Brave One


The Brave One(ブレイブ・ワン) というのが タイトルですが いや どこにも

勇敢なひと

出てきませんが・・・?

タイトルに偽りあり。
映画評は結構散々。
よく見てるRotten Tomatoes では なんと43%。

しかし 個人的にはとっても興味深く 見終わった後でも ふと考えてしまったり 映画の中の1シーンを思い出してしまったり と 映像的にも印象的なものが多かったです。

何故映画の評判が悪いか。
それは 基本的にキリスト教の教義を元に 

悪は解決されなくてはならない 人は自分の悪を悔い改めなくてはならない

という意識があれば この映画のクライマックスシーンは とても受け入れがたく 何も解決した気持ちにはなれないわけで フラストレーションが残るのも仕方ないかな と。

世の中には 善悪が混在し たとえ善意に満ちた人の中にも もしかしたら一片の悪が存在し それが 自分に向けられたいわれのない悪意のせいで顕在化したら?

今まで美しく 親しみをもって 故郷と思っていた場所が 突然 今までと違って 悪意と敵意に満ち満ちた 恐ろしい場所になり 自分の愛した人が その犠牲になったら?

それに耐えられなくなるのもわかるような気がします。

そうした 現在の法律では裁ききれない社会に対するフラストレーション 女性 武器を持たない老人 子供に対する 男性 というだけ 暴力を恐れず 他人に対する思いやりを持たない 単なる略奪者と化してしまった 人間に対して 同じように立ち向かっていく それも 意図してではなく 自分の中に眠っていた何か暗いものが いきなり恐ろしい牙をむき出して それを自分でもコントロールできない状態。

心理学で言う イドってヤツでしょうか。
それが アメリカでは普遍的に入手できる銃を手にした途端 解き放たれてしまう その怖さ。

この映画は 女性が都会に持つ不安 日常的にさらされる暴力 それに対する抵抗としての暴力 いわば 窮鼠猫を噛む(それにしては すごすぎるけれど)状態で 自分の中のコントロールできない闇から逃れられないジョディは 昼の世界から闇へとうごめく世界を変え 女性を毒牙にかける男性たちを夜な夜な葬っていくのです。

よく Empowerment と英語ではいい 女性の権利向上がうたわれますが この映画は 決して 女性の権利向上 暴力によって 男性と同等になることを意図したものではありません。

しかし 監督ニール・ジョーダンがいいたかったのは

誰の中にも心の中に闇が潜み それをコントロールするのは不可能だ

ということで ジョディと婚約者を襲うならずものたちと ジョディの間には 大差はない ということも 映画の中では示唆されていたように感じます。
ただ そこには法治国家でありながらも 法では解決できない物事もあり それは一体どうしたらいいんだろう・・・という 現代社会のジレンマもあるよう。
それを解決するのが あのラストだった ようにも感じます。

暴力まみれの映画ではあるけれど 病院にかつぎこまれたジョディが 治療のため体を動かされたり 服を脱がされたりするときに 意識を失っているジョディは それが 一緒に暴行を受けた恋人が 自分を愛撫している と 感知してたりするシーン 本当に美しく また 実際は何が起こっているか観客はわかっているだけに ひどくつらいもの。

そんな美しいシーンが挿入されているのも さすが クライング・ゲームのニール・ジョーダン。

その一方で タクシー・ドライバーを思わせるような NYの暗い映像や 緊張感あふれるシーンも満載。
コンビニエンス・ストアのシーンは本当にドキドキ。

しかし オーストラリア人 こんな緊張感あふれる映画なのに 話すわ 笑うわ。

そこ 笑うとこ?って 思うようなとこでも笑うし。
あ クライマックスシーンは 私も『ここは 笑うところだろうか 笑ってはいけないんだろうか?』と思いましたが そんなじゃないとこも 大声で笑ってるんですよね。

話してる人はフランス人と アフリカ人だったので 皆さん何もいわなかったようですが それもまた こんな普通の人がいきなり暴力の犠牲になる って テーマだから 逆ギレされたらどうしよう・・・って 遠慮してたのかもしれませんね。

後で同居人に

「ちょっとー どうして皆色んなシーンで笑ったり話したりするのー 迷惑だし なんで笑ってるかわかんない!」

と訴えると しみじみと

「それはね・・・ あんなに怖くてドキドキする映画だったから 緊張をまぎらわせるために 皆 笑ったり話したりして ガス抜きしてたんだよ」

と説明されました。

・・・意外と肝っ玉が小さいのね オーストラリア人。
そういや パンズ・ラビリンスでも途中退場者多かったしなー。

といったら

「日本映画は残虐すぎるんだよ!」

だそうで。

とりあえず 感想は分かれるだろうし しょっちゅう観たくはないけど ジョディ・フォスターの壊れていくロバート・デ・ニーロに匹敵する 内側から何かに食われていく様子は 実際すごい女優さんだなぁと 感心しましたので それを観るためだけでも十分観る価値ありかもしれません。
デートには 絶対お勧めできませんが・・・。


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「ブレイブ ワン」レビュー

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| 映画レビュー トラックバックセンター | 2007/10/29 14:35 |

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