Lost in Australia 

オーストラリアから 映画と英語と暮らしのことなど 色々と

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ザ・グッド・シェパード(The Good Shepherd )

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The Good Shepherd


評論家の評判が悪かったこの映画 長いので 観るつもりはなかったのですが たまたま あるスキャンダルの覚え書き を 観に行ったら お隣のオバサマも来ていて 

「The Good Sheperdは観た? 長いけど 飽きなかったわよ~」

と お勧めしてくれたので 観ることにしました。

確かに長い。
そして 話が入り組んでいる。
すべてが 観客の理解力と 想像力と 映画的経験度に かかっており いわば マニア向け。

これは 注意深い観客じゃないと 辛いわ。

一般的に

「へえ CIAについての 映画ね 面白そう☆」

とか

「マット・デイモン出てるの!観なくちゃ☆」

などという気持ちの観客は 置いてけぼりを食らうこと 間違いなし。

時系列がまず こんがらがっているのが わかりづらい原因。
現在と 過去の話が しょっちゅう交差する。
だけど 一応 今どこの時代にいるかは 字幕も出るし 服装なんかでもわかるので ちょっと注意してれば大丈夫。

それに アメリカの政治史みたいなものを知らないと 

「一体なんでこんなことになってるの?」

と 何がなにやらさっぱり状態になってしまいます。
これから観られる方は 第二次世界大戦後冷戦に至る構造と  キューバ侵攻などに見られる 米ソの対立を 抑えておけばよいかも。

そして 敢えて言うなら 主人公のマット・デイモン演じる エドワードが 全然年を取らないように 見えてしまうのが 時代を追うのを辛くしています。
息子と並んでるシーンで

「おや 弟?」

とか 思っちゃったくらい。

とはいえ この映画 抑えたトーンの中 静かに 自分のアメリカ国民としての愛国心を利用され 自分のアメリカ国民としての義務を第一とし 一人息子を愛しながらも 距離を置かざるを得ない 普通の男の悲劇を 描いています。

結婚したのだって 本当に愛していた女性がいたのに 当時の厳しい状況の中 つい 欲望に負けてしまった結果。

そのせいで 愛のない結婚生活をしてしまい それでも 息子には 一所懸命愛を注いでいるのに 理解してもらえない。

エドワードは 子供の頃に 父親に自殺されてしまうので 父親のモデルというものがなく また 父が自殺=父に否定された という トラウマでもあるのでしょう。
正しい父親像がないにもかかわらず 自分の子供には 自分が味わったような 親に否定されるという 思いはさせたくない と 思っても それを伝えることができない 仕事上 何もかも 秘密にしておかなくてはならない それゆえ 息子が 自分と同じ職についても 手放しで喜べない という よい父でありたい 気持ちと よいモデルを示せないジレンマが よく伝わってきました。 
アンジェリーナ・ジョリーの妻の 愛されない不幸 幸せな家庭生活を築きたいのに どこかで伴侶に自分の存在自体を無視されている という不幸を 見せられると共に それに対して 罪悪感を抱きながらも どうすることも出来ない夫という CIAというものを抜きにしても 十分映画になりそうな テーマを惜しげもなく 一本の映画に突っ込む ロバート・デ・ニーロの 贅沢さよ。

エドワードは 仕事に熱心になればなるほど それは 自分のアメリカへの忠誠心と愛国心を示すはずなのに かえって 家族と自分の間を引き裂くことにしかならない。

そんな辛い気持ちを 表に表さないのは おそらく 子供の頃に 目の前で 父が自殺してしまったせい。
その 父からの メッセージを 年老いてから 初めて開くエドワードの表情は あまりにやるせなく 自分の失ってきたものを 改めて思い知るシーンで マット・デイモンの 演技力のおかげで 彼の心のうちを 観客は垣間見ることが出来るように感じられました。

そして この映画を観て 誰もが感じると思うのですが CIAって 怖いところだな・・・と。

スパイということで いつでもどこでも誰かが自分を見張っている
自分には プライバシーが全くない という事態を考えてみたら それだけで怖い。

自分が道を歩いているところ 
お店に入って 例えば試着室から出てくるところ
スーパーマーケットで 安売りのものを手に取っているところ

全部見られて 記録されていたら?

考えたら ものすごく怖い。

映画の中では これが 悲劇に次ぐ悲劇を招いて行き 情報戦 というものの 本質的ないやらしさ 自由国家と謳いながら 実際には全く違う アメリカというものを 浮き彫りにしている。

そして こんな悲劇にも関わらず CIAという組織から抜け出すことの出来ない エドワード。
一生を捧げてきたのだ。
彼の人生の全てと言ってもいい場所を そうそう捨てられるわけがない。

まるで 日本の会社人間のお父さんのよう!

とか 思ってしまったのは 余りにも一般的過ぎでしょうか?

また この映画で 最も注目されるべき と されているのが 名門イェール大学の優秀な卒業生だけで 組織される秘密結社 スカル&ボーンズの存在。
アメリカの指導者層に食い込んでいる この組織に 属しているのは 旧&現アメリカ大統領ブッシュ父子 など。

このエリート組織に属する 自分たちこそが 唯一 神である アメリカを代表し 羊たる 無知な国民を導く立場にあるのだ

という意識を指したのが タイトルなのでしょう。

元々は イエスを指す表現で 一般市民が羊であり 神の救済の元へ 連れて行くのが イエスである という文が聖書にあります。

羊は羊飼いの後を追うが 声を知らない見知らぬものの後は追わない。

また アメリカは宗教国家である という 考え方からすると 宗教心厚い人々こそが 神の声を聞けない一般国民のために 神の声を代わりに伝えてやるべき という 考えも この組織には反映されているようにも見えます。

聖書は 多宗教・無国籍宗教の日本人とは違って 西洋文化の基本だから アメリカ映画とかってなかなかわかりづらいところがありますよね。

普通に楽しむ映画ではないけれど しみじみと スルメみたいに 後になるほど 後味が出てくる作品でした。

どうやら 実際はもっと長かったそうで 劇場公開版ではカットされていた詳細がもっと きめ細かく描かれているとか。
それも なんだか観てみたい気がします。
長すぎて 途中で寝るかもしれないけれど。
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| エイガ | 19:52 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑

やはり...

この映画、見たいと思ったんですが、長すぎるのと難しすぎるという話を聞いて諦めました。 日本語字幕がついたDVDじゃないと、私なんかには理解できないだろうと....。

結局、Bobby、まだ見ていないんですよ。 なんだかんだとやることがあって。 まぁ、それは自分に言い訳しているのかもしれませんが(苦笑)

それにしてもプリシラさんは映画(DVD含む)、よくご覧になっているんですねー。 素晴らしい... 実はお仕事、映画評論家だったりして?!

| kitkat_jp | 2007/04/05 12:11 | URL |

履歴から参りました。
オーストラリアですか。オージーのあのどこかのん気な発音って、好きです。以前、アメリカでもオーストラリアのドラマが放映されていて、結構好評だったようですよ。(実は私も観てました。)
英語との格闘、お互いに頑張りましょう!

| 1RottenGreenEgg | 2007/04/06 04:01 | URL |

kitkat_jpさんへ

難しすぎる・・・そうかもしれませんが でも 家族ドラマとして観ると それほどでも?
愛国心と職と家庭という義務の狭間で 苦しむ姿が描かれているので 共感できることが多いのでは?
とはいえ とても抑えたタッチなので 退屈しちゃうかも。

Bobby DVDもきっとすぐに出ますよ~!
こちら 早いですもんね。

映画を観てるのは 暇だから・・・(苦笑)
もっと 他にすることあるんでしょうけど 不精なので ラクへ走りがちです。

| プリシラ | 2007/04/06 13:44 | URL |

RottenGreenEggさんへ

ご訪問 ありがとうございます。

へえ~ どんなドラマでしょうね アメリカで放映されてたのって。
それで サイモン・ベイカーが人気出たのでしょうか?
とはいえ 最近 泣かず飛ばず ですが・・・。

英語と格闘するより もう最近は 諦めモードに入っております(涙)。

| プリシラ | 2007/04/06 13:45 | URL |















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