Lost in Australia 

オーストラリアから 映画と英語と暮らしのことなど 色々と

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あるいは裏切りという名の犬 - フィルム・ノワールの復活?

あるいは


やっと観ました この作品。

だって 公開時の映画の広告には ただ

36

と。

それじゃなんだかわからないよ、オーストラリア!

それに比べて 邦題 ものすごくいいです。
どういう内容か なんとなく予想がつくし 硬派なイメージも沸きます。
映画配給会社さん お見事!
少しは見習え オーストラリア!

しかもあまり評判にならなかったらしく ひっそりとアート系映画館でのみ公開。
それが 船に乗っていかなくちゃならない場所で 家からは1時間半かかるのです。

よほどのドパルデューファンではないと そんなことは不可能です!

というわけで DVDになってたので やっと借りました。

映画は基本的に 懐かしき フィルム・ノワール。
警察官二人が主役で 互いに次期警察長官の椅子を争う身。
その上 台詞で 彼等は昔友達だったのに 今はそれほど親しくないことも わかったりして 何があったのか?と思うと どうやら 同じ女性を取り合ったらしいとわかる。

彼らがどうして 友達ではなくなったのか。 

とはいえ 一方的に ダニエル・オートゥイユ演じるヴリンクスが あいつとはもう友達でもない というのだけれど ドパルデュー演ずるクランは まだ 友情を感じているようなので 一体二人の間に何があったのかは 観客の想像にゆだねられている。

恐らく 推測だけれど クランはヴリンクスの妻となった カミーユに何かひどいことをしていたのではないか。
ヴリンクスは 昔ながらの刑事で 売春婦上がりの女性と友情を育んでいたり と 確かに 

「目的のためには 手段を選ばず」

という面は見られるものの 部下たちには慕われる 人間味のある男。
退職して バカンス地へ隠居する予定とかいう 同僚に わざわざ自分たちの署から 住所案内板を盗んで プレゼントする という行動からも それがうかがわれる。
そんなオトコだけに カミーユの窮状を見かねて ということも あり得る。

それとも 彼は自分の友人の恋人を奪った ということで 負い目を感じていたのだろうか。
それが 殺人を見逃してまで 犯人逮捕へとつながる手がかりをなくしてはならない という 功名心、競争意識へと追い込んだのだろうか。

しかし ヴリンクスという人間の描かれ方を観ると 必ずしも功を焦るようにも見られない。
退職する予定の警察長官に 餞として 犯人逮捕へと向かいたかった のだろうと 思う。
そして 元の友人より 上の地位に立つことで 妻を安心させてやりたかったのだろう。

しかし それが結局は ヴリンクスを窮地へと追い込む。
それは 友であったはずの クランの仕業だけれど 自分の過ちは罰せられず ヴリンクスだけが処分を受けることになって クランはどう感じていたのだろうか。
妻にさえも 部下にさえも 心を開けずにいた 孤独なクランにしてみれば 友であったはずのヴリンクスの 一方的な絶交は それこそ裏切りであったのかもしれない。
フィルムノワールに感じられた 同性愛的友愛を この映画では ドパルデューに見たのはワタシだけ?

もしかしたら 彼は 自分でも気づいていなかったけれども

彼の孤独感 結果的に元友人から 全てを奪うことになってしまい 自分がそれを引き起こした罪悪感を 言葉に頼らず表現していた ジェラール・ドパルデューは やはり一流と 実感しました。

かたや ダニエル・オートゥイユも ワタシの覚えている The Closet の ピニョン氏の お人よしぶりとは違って 隠された扉で見せた シリアスな演技を再び披露してくれる。

そう この映画は アラン・ドロン全盛期の フレンチ・ノワールへの餞なのです。

警察 裏切り 喪失

と 見事にキーワードが散りばめられ 

「昔見たような映画はどこ行っちゃったんだろう」

と かつての映画ファンにも受け

「新しいタイプ」

と 若い映画ファンにも新鮮に受け止められる作品でしょう。

クランもヴリンクスも 最後には全てを失いますが クランになくて ヴリンクスにあったもの。

目的のためには手段を選ばず という 刑事魂を持つ二人だけれど ヴリンクスには 彼を慕う部下がいた。

つまり 人望。
それが クランを結局は破滅へと導きます。

何かを得れば 何かを失う。
欲を出しても 人間として大事なものを見失ってはいけない。
間違いをおかすのは 人のさが。 
でも それを正す品位が まっとうな人間には必要だ。

自分で決着をつけることもできたのに クランの良心に一切を委ね 自分の持っているものを最大限にいとおしむ ラストシーンのヴリンクスを観て そう 感じました。

しかし 何を見ても ジェラール・ドパルデューと ダニエル・オートゥイユばかりなのは ちと 飽きたような気もしますが 多分 フランス映画で外国へ一般向けに 輸出されるような作品は 大スターの出ている映画が 主なのだろうから 仕方ない。
それに この映画での 二人の演技力 存在感を 考えたら 若手にもう少し頑張ってもらいたいものです。

ハンニバル・ライジングの ギャスパー・ウリエルには ちょっとそれは望めないけど・・・。

今 Wilipedia で観たら アメリカでリメイクされるんですね。
デニーロとジョージ・クルーニーと ごひいき俳優揃い踏みで 嬉しい限りです。
ですが 二人の年齢差 ちょっと開きすぎ?
ジョージが 老けメイクでもするのでしょうか。
なんにせよ 楽しみにしております。

ちなみに イギリスでのDVDジャケットはこんなです。
裏切り


映画館向けのほうが 雰囲気出ているようで いいですね。

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| エイガ | 11:26 | comments:6 | trackbacks:5 | TOP↑

こんにちは

プリシラさん、こんにちは。

ヴリンクスとクランはお互いに似ていてその実力は認め合ってはいたんでしょうね。
クランにはカミーユを失ったことで、みなに心を閉ざしてしまったのかもしれません。
「ゴーストライダー」ご覧になったんですね。
あまり良くない感じですか?

| はらやん | 2007/02/17 18:34 | URL |

TBありがとうございます。

 プリシラさん、こんにちは。TB、どうもありがとうございました!

>公開時の映画の広告には ただ
>36
>と。
>それじゃなんだかわからないよ、
>オーストラリア!

 思わず吹き出してしまいました。本当、なんだかわからないですよね(^^;) 潔いですね~、配給会社。

 ではでは、失礼致しました。

| 香ん乃 | 2007/02/17 18:46 | URL | ≫ EDIT

はらやんさんへ

はらやんさん、こんにちは。

実力があったからこそ 友人となり 将来を嘱望されていたからこそ 競い合う。
本来ならよい関係になるはずが どこかでボタンの掛け違えが起こってしまったんでしょうね。

ゴーストライダーは コメディだったんですか???w 知らなかったです~。
真面目に観ると しまった・・・と なると思います。

| プリシラ | 2007/02/17 19:39 | URL |

香ん乃さんへ

イギリス版でも でかでかと 「36」ってなってますが 下に 「ヒート以来の 警察スリラー」と書いてるので なんとなく中身がわかりますが こちらの広告では もう ただ数字だけ。やる気ないというか・・・。

| プリシラ | 2007/02/17 19:41 | URL |

『36』ですか!?

素っ気ないタイトルですね~(笑)それに”緑”ですかぁ。
上映されている映画館に、船に乗っていかねばならぬ...というトコにも、反応してしまいました。いや~大変ですね。

確かに、自分で決着を付けられたのに、クランの良心に一切を委ねて、愛娘の所に去っていきましたね。
清濁併せ持つレオが、最後まで大事なものは見失わずにいたことが、クランとの運命に明暗を分けたのでしょうね。
ダークなノワール映画なのに、後味が良かったのは、そのせいでしょうか...。

| あん | 2007/02/19 23:12 | URL |

あんさんへ

そうなんです、「36」って・・・何?

いくら映画でも どんなに悪いことをしたり ひどい目にあったとしても 一抹の良心だけは 失いたくない 失って欲しくない というのが どこかにあるのかな? だから そうした姿を映画で観ると 暗い気分にならずに済むのが 人間の心情なのかもしれませんね~♪

| プリシラ | 2007/02/20 06:48 | URL |















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渋い!!「あるいは裏切りという名の犬」

久しぶりに大人の豊穣なるワインのようなフレンチフィルムノワールの登場。「あるいは裏切りという名の犬」は対立する二人の警視を軸に先の読めないストーリー展開(あまり予備知識なしで見た方がベストかも)で最後

| 映画雑記・COLOR of CINEMA | 2007/02/17 11:47 |

「あるいは裏切りという名の犬」 二人の男は互いの鏡像

ずっと観ようと思っていたのですが、気がついたら銀座でモーニングショーのみになって

| はらやんの映画徒然草 | 2007/02/17 16:36 |

『あるいは裏切りという名の犬』を観たよ。

シェアブログminiに投稿※↑は〔ブログルポ〕へ投稿するために必要な表記です。 巧い邦題。思わせぶりなのに的確、だなんて。『あるいは裏切りという名の犬』原題:"36 QUAI DES ORFEVRES"2004年・フランス

| 【待宵夜話】++徒然夢想++ | 2007/02/17 17:43 |

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| ホワイトデー プレゼント ランキング | 2007/02/18 18:33 |

あるいは裏切りという名の犬

 シテ島のオルフェーブル河岸36番地にはパリの警視庁がある。 バイクに乗った二人組の男がこの地の街頭標識を盗み逃亡する。行き着いた先は警察からの引退を間近に控えたエディ(ダニエル・デュバル)を囲んだ宴が催されていた。 同時に描かれてい....

| とにかく、映画好きなもので。 | 2007/02/24 11:33 |

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