レクター博士よ どこへ行く
ハンニバルポスター


映画 どれを観ようかな と 選択肢がありまして。

4つほどあったわけです。

一本は既に観ちゃった パンズ・ラビリンス。
その他 2本はまだ 観てない新作。
でも 同居人が 観たい と 言ってた。
というわけで、 残りの1本が この ハンニバル・ライジング。

羊たちの沈黙は 映画が好きで もう一度観なくちゃな と 思っております。
レッド・ドラゴンは 原作本が好き。
ハンニバルは・・・ まあ 許しましょう。

なので レクター博士シリーズの最新作なので 観ることに決定。

しかも レクター博士の若かりし頃を演じるのが オードリー・トトゥの 「The very long engagement」で 彼女の婚約者役を演じていた役者さん。

これは観る必要があり と 判断。

さて 観た結果ですが。

面白いか と 質問されれば 面白くはない と 答え、

つまらないか と 質問されれば つまらなくはない と こたえることでしょう。

脚本を書いたのは 羊たちの沈黙の作者 その人なのですが ハンニバル の 悪い癖が出たような気がします。
その癖とは 自己満足に走っている ということ。

ハンニバルというヒトは 元々 ただの殺人鬼 食人マニア というのではなく 一般人の常識を超えたところで そういうことをしている というのが 彼の恐ろしいところ かつ 魅惑的なところだったわけですが この映画は 

ハンニバルがどうして 殺人鬼となり 人間を食べるようになったか 

その理由を解明する という 設定になっており そして その理由が 死んでしまった妹の復讐と ある意味 極めて理にかなっているため 単純に 復讐譚となってしまっていることが ハンニバルを ヒトの形をしているものの 人間の理解を超えた不気味な生き物 として描いていた 羊たちの沈黙のよさが 全くなくなっているように感じました。

そして 気に触ったのは 映画に出てくる 訳わからない日本趣味。

ハンニバルを引き取るのが ハンニバルのなくなった両親の友人である日本人女性という設定。

まず この女性を演ずるのが ゴン・リー であることには まあ 目をつぶりましょう。
どうせ 西洋人には 日本人と中国人の違いは よくわからないのですから。

能面が吊り下がった部屋に ご先祖様の鎧兜が 飾られている という このわけわからない ご先祖様をまつる部屋も 百歩譲って許すとしましょう。

ゴン・リーが ハンニバルに 剣道を教えるシーンも ひどくバカバカしいですが それも許しましょう。

ハンニバルが サムライが戦の時につける お面をつけるのも まだ許しましょう。
刀の手入れ


フランスに来てまで 日本色に染まってるはずの女性が どうして着ている着物風ガウンは フェンディのものであることも まあ許します。

ですが、彼女の名前。

それは










レディ・ムラサキ







・・・それはないんじゃない???

どっと疲れた瞬間でした。

しかし この謎の日本趣味より更に 気に障ったのが 俳優さんたちのアクセント。

リトアニア フランスが 舞台になっていたのに 使われるのが英語

これは 市場が英語圏だから 仕方ないといえば 仕方ないですが でも わざわざ イギリス人の リース・イファンスまで 変なリトアニア訛りで話すのは どうかと思うんですが。

元々 ターゲットは英語圏だ と わかっているならば 普通の英語で話したところで 何の問題もないのに。

それとも もしかして 主役のガスパー・ウリエル と ゴン・リーの二人とも 母国語の訛りが取れないので こうなったら ご当地風の訛りにしよう!そしたら 異国情緒も増すし! とでも 考えたのでしょうか・・・。
でも ゴン・リーは 訛っていても 大丈夫な役柄なんですが。

ネイティブの英語がわからないのなら まだ 諦めて英語ガンバロウ!と 思えますが 訛りに訛った英語がわからないときは なんだか悔しい・・・。

ホラー映画というか 血みどろ映画が好きな人にも 出血量は少なすぎるかもしれないし ロマンスめいたシーンがあるのも なんとなく ワタシの知ってる知的で紳士ながらも恐ろしい アンソニー・ホプキンスのレクター博士には似つかわしくないもの。

一体この映画 誰を対象に作ったのか さっぱりわかりませんでした。

しかし この映画にもいいところがありました。
それは 撮影。

リトアニアの荒涼とした雪原 や フランスの豊かな実りある畑、 パリの市場 郊外にある貴族の館 などなど 実に美しく撮られています。
特に最初の雪原は 寒々しいながらも 見とれてしまうような光景でした。

ホラー好きな方なら 話のネタに観ておいてもいいと 思いますが レクター博士のファンはがっかりするでしょう。

劇場には 大学生くらいの若者が多数来ており 残虐シーンがあると 叫び声をあげておりました。
「そういう」ホラー映画に成り果ててしまったのかな・・・と 考えると 羊たちの沈黙を再度観なくては という 思いに駆り立てられます。
2007.02.15 
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