Lost in Australia 

オーストラリアから 映画と英語と暮らしのことなど 色々と

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主人公は僕だった(Stranger than fiction) - 自分の人生は自分で決めろ

シェアブログ1571に投稿 映画

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stranger than fiction


映画を観てこんなことを書くのはなんですが よく出来た物語を読んでいるような 気持ちにさせられました。
次にどうなるのか ページをめくらないではいられない。
サスペンス というのが 恐怖やホラーではなくて この人に次に何が起こるのか 早く知りたいという 興味をかきたてられる キャラクター造形。
最近 ネットや ゲームといった 娯楽に押されて 読書する人は減ってきたように感じます。
読み物ならば ネットで小説さえもダウンロードできるわけで 必要性がないといえばないのでしょうが それでも ページをめくる楽しみという 物語の力強さを 久々に感じました。

この ノンシャランとした 雰囲気 押し付けがましさのない さらっとした 作りは 最近の シリアスな映画続きの中 一服の清涼剤みたいでした。

評では この作品は エターナル・サンシャイン や トゥルーマン・ショウ の系列 としているものがあり なるほど と うなずかされます。
どちらも 無意識に受け止めていた 「自分」 というものを再発見していくというもの。

エターナル・サンシャインは よく考えると やっぱり忘れたくはない相手がいる という 恋愛のせつなさ 自分の感情を押し殺し 体面などに捕われ 自分の本当の気持ちを無視しがちな面に重心がありますが この映画

「自分がこの世界にいる意味」

を考察する いい機会を与えてくれました。

主人公を演じる ウィル・ファレルですが 実はあまり好きではない俳優さんです。
一番記憶に残っているのは ズーランダーのムトゥですが

こんな人↓(パラマウント映画社から転載)

mugatu


どうもいつでも オーバーアクト気味で 見ていてイライラすること多し。 

ですが 最近 タラデガ・ナイトで 見直し この映画では

ウィル・フェレルが 初めてシリアスな演技に挑戦し しかも成功した」

ということで 批評家たちが大絶賛していました。

ウィル・フェレルの他の 出演者も豪華。

ウィル演じる ハロルド・クリックを作中人物として書く 女性作家 ケイ・エッフェルに エマ・トンプソン
彼女の イギリス発音が 格調高く響くため ハロルドの言う

「自分のしていることを ナレーションしているんです・・・もっと いい言葉を使って」

というのが もっともに聞こえます。
エマって 美人じゃないけれど 上品かつ 神経質な様子 過剰な女性らしさが 少ないところが イギリス女流作家っぽくて 適役です。

ハロルドが 自分が頭がおかしくなっているのではないか と 疑うものの 税理所の精神科医が わかりきったことしか言わないのと それを正確に描写していく ナレーションが あまりにも文学的 ということで 紹介される ダスティン・ホフマン演じる 文学教授の 飄々たるたたずまいと 学者というものの 変わり者っぷりが とても楽しい。

ハロルドの生活を一変させる 一番のきっかけとなる パン屋(というか お菓子屋さん)のアナ・パスカルを 演じる マギー・ジレンホールは いつも 変わり者 ハズレ者の女の子を演じているけれど この作品でも 一風変わり者 だけど 心の中に正義感と 優しさを秘めた ステキな女性を演じている。

彼女のファッションがなかなかよい。
普段着だけど オシャレ。
ちょっと前に流行ったボーホーとかみたいだけれど 本物のヒッピー感漂う着こなしを見せてくれます。

さて 肝心の内容ですが、コメディ!と 宣伝されているので ウィルのいつもの 何も考えず ガハハと笑える映画を期待すると 肩透かしを食らいます。

だって この映画は 文学映画 なのですから。

それは 宣伝されている通り ある小説の主人公が自分であることを発見する 主人公
そして 彼が主人公である作品と 作者を 発見する手助けをする 文学者
そして ライターズブロックに悩む作家

と 主役が全員 文学に関連していることから 心して 観なくてはなりません。

突然起こった出来事に 戸惑うハロルドに 文学教授ヒルベールが 告げる

「それが 悲劇か 喜劇か 確かめてごらん」

というのが この映画の鍵。

悲劇は100%悲劇だったり 喜劇は100%喜劇だったりするのが 文学。
だけれど この映画の原題は

Stranger Than Fiction

そう 事実は小説より奇なり という ことわざです。

彼の人生は 作り物ではあるものの 映画の中では 現実という設定。
そして ハロルドの人生は 自分でノートにチェック印をつけているように 悲劇100% と 見えるけれど それを観ている観客の私たちは そこで ウククク・・と笑ってしまう。

悲劇は当事者には悲劇だけれど 観客にしたら 喜劇だったりするわけで その逆もまたあり。
現実というのは 見方によっては 悲劇が喜劇 喜劇が悲劇 だったりして 完璧にどちらか一方 ということは なかなかない。
そういう 悲喜劇を実験的にやってみたのが この映画。
個人的には 先日レビューした リトル・チルドレンっていうのも 悲喜劇なのかな?と 思っています。

前半の喜劇めいた作りから ハロルドが教授に見放され 

「自分の生きたいように 生きればいいんだよ!」

と 言われてしまう時点から 映画は意外な展開を見せていきます。

そして 全てに無関心だった ハロルドの人生は 変化していき 最後にハロルドが下す決断は 思いがけないもの。
だけど 今まで彼が送ってきた人生を考えたら その決断は 当然のものにも感じられます。

映画の出だし 画面には常にデジタルの数字が現れている。 
彼の生活を支配している デジタル時計であると 共に 謎のナレーションに支配され始めてから 徐々に 数字だけに支配され 人間同士の触れ合いがない 無味乾燥した生活を 送っていたハロルドの心象風景からは 数字が 少しずつ なくなっていく。

職場の友人といえるような 友人でさえ 必要最小限の会話。
職場でも 会計士という仕事上必要な会話しか存在しない。
だけど ある事情から 同居するようになり ハロルドはこの友人にも 子供の頃からの夢があることを発見する。

私たちの生活は 毎日が 型どおり 毎日決まったとおりで変化がない と 考えがち。
だけれど この文学の現実への侵入により ハロルドというつまらない人生を送っている と 考えられる男性は 実は文学に足るだけの人生を送っている。
今まで変わり映えしない人生を 変えていく。
初めて 自分で決断をし 自分で動き出す。
生かされているのではなく 自分で生きる決断をする。

つまらない人生 代わり映えしない毎日さえも 文学という芸術になり得るということ。
つまらない人生と思っていても 誰にでも夢はあり それを追求するのは 自分の意思次第 ということ。

それならば したいことをして 後悔しないようにしようよ と ひどくポジティブなメッセージが伝わって来ました。

そして エマ扮するケイの決断にも 人間としての優しさが伝わってきました。
芸術は大事だけれど それを受け止めてくれる観客があってこそ。
芸術のために と 犠牲にされるものも多いけれど 本当に価値があるのは 誰かが幸せに生きることで 芸術は人生を豊かにするためのもの。

アナも 本当はハーバード・ロースクールに通っていたのが 自分にできる方法で 世の中をよくしていこう と 考えるような 優しい心の持ち主で 登場人物誰もが エキセントリックなヒルベールも含め どこか優しく ユーモラス。

大きなブームは起こさないかもしれないけれど 観終わった後 心がほんわり暖かくなる 優しい作品でした。


 
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| エイガ | 18:54 | comments:8 | trackbacks:1 | TOP↑

ウィル・フェレル

Priscillaさん、こんにちは(^^*)

ウィル・フェレルの真面目な映画なんですね!ズーランダーのムトゥや、アンカーマンのねっとり系な気持ち悪さが、みょ~に気持ちわるいんだけど、嫌いになれないおじさんです(笑)内容が凄くよさそうですね!

| あことぴあ | 2007/03/20 17:25 | URL | ≫ EDIT

あことぴあさんへ

こんにちは、あことぴあさん!

そう、一応真面目、でもくすっと笑える・・・という感じですね。

ウィル・フェレル 本国ではものすご~く人気があるそうなんですが 今ひとつわからずにいました。
でも これとかタラデガ・ナイトとか アカデミーを見て 好きになりました♪
これからちょっとずつ DVDで観ようと思うんですが いつも貸し出し中なんですよ~ ガッカリ!

| プリシラ | 2007/03/21 07:42 | URL |

こんにちわ

TB&コメントありがとうございました。

私もね、トゥルーマンショーを思い出しました。
とはいえ私、未見なので記事には書きませんでしたけれど。
あらすじ的なものとしてはニュアンスが似ていますよね。

最初、ウィル・フェレルが主演というだけでこの作品に対する
イメージをすっかり作り上げてしまっていたんです。
ドタバタ系のコメディだろう・・って(笑)。
でも、考えてみれば、マーク・フォースターがドタバタ・コメディなんて
撮るわけないじゃんって(笑)。

心に染み入るような温かさと優しさが心地いい1作でした。
設定はファンタジーだけれど、人間ドラマをとても大切にしている
感じがすごく良かったな。

地味だけれど、ステキな1作でしたね。

| 睦月 | 2007/05/11 10:53 | URL |

プリシラさん★

こんにちは、お久しぶりです。
わたしもこの作品、とても気に入りましたー。
ウィルフェレルがいつもと違うシリアスな演技、とてもよかったし
脇を固めた小説家のエマトンプソンなどもすごくハマってて良かったです。

| mig | 2007/05/11 13:05 | URL |

睦月さんへ

お久しぶりです☆

ウィル・フェレル 実は演技派?とか 思ってしまいました。
監督がそういう方なだけなんですよねw

派手ハデな 300 みたいなのも いいんですが こういう映画って DVDを買って たまに引っ張り出して観たいですよね。
睦月さんも 気に入っていただいてるみたいで 嬉しいです。

| プリシラ | 2007/05/11 22:14 | URL |

migさんへ

お久しぶりです。
最近ちょっと忙しくて ご無沙汰していますが いつも盛況ですごいですよね~。感動です。

エマ・トンプソンって 芸達者ですよね。
いつも苦虫噛み潰したような表情が ライターズブロックがとけて 続きが書けるようになったときの ひょいって いうのが とてもかわいらしかった!

migさんもお気に入りのこの映画 ヒットするといいなぁ~☆

| プリシラ | 2007/05/11 22:18 | URL |

コチラの監督さんが・・・

M・ファスター(ドイツ人)、次回「BOND22(仮称)」の監督に決定しましたので、早速観ますっ!(笑) す、すいません、不純な動機で・・・  Truman Showで、若干納得いかなかった自分としては(汗)、不安と期待が入り混じりな感じ? なんでしょうか???

とはいえ、E・トンプソンは、どんなジャンルの映画でもソツのない演技派なので楽しみ♪ W・ファレルのシリアスぶりも期待ですが、この監督さんの メッセージ伝導力を拝見しつつ、Monster's Ballとの共通点を見据えながら、次回のBONDに想いを馳せたいと想う所存です(笑)

| ゆうこまん | 2007/06/20 20:03 | URL |

ゆうこまんさんへ

おお!
最新情報 ありがとうございます!
チョコレートも Neverlandも よかったので きっと次回作のボンドも よい出来だと思います!
Truman Showは・・・悪くはないと 思いますが こちらの方が 最近観たせいか 好きです。
木曜から始まる Blades of glory も 楽しみにしております!

| プリシラ | 2007/06/20 20:34 | URL |















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