Lost in Australia 

オーストラリアから 映画と英語と暮らしのことなど 色々と

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真夜中のピアニスト - 対比の映画

真夜中のピアニスト DTSスペシャル・エディション 真夜中のピアニスト DTSスペシャル・エディション
ロマン・デュリス (2006/05/26)
ハピネット・ピクチャーズ
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カゼでも引いたか ぶっ倒れていました。
それでも 映画は観るわけです

暴力は コミュニケーションの一つ と どこかで読んだことがある。
究極の コミュニケーションで 人間と人間が 生身の肉体でぶつかりあう 自分の意思を 肉体でもって 表現し 相手にわからせる行為である。

すこぶる原始的な コミュニケーションの一つである。

それと対照的なのが 音楽

音楽は 文字で表されるとおり 気持ちを楽しませ 相手を楽にさせるのが 元々の目的。高貴なものや 神性のあるものに 捧げたりする 高度なコミュニケーションの一種。

双方とも 言葉を必要としないが その性質は甚だしく違う。

この二つのコミュニケーションの間で引き裂かれる主人公を描いた作品が この 「真夜中のピアニスト」。

元々才能のあるピアニストだった 主人公トマが 自分の属する 暴力に満ちた社会から 母のマネージャーとの再会により ピアニストを志す というのが あらすじ。

この映画には 様々な対比が見られる。

まず 中心となる音楽

まだ ピアニストになることを志していない状態のトマが聞いているのは テクノ。
ビートが中心で クラブなどでかかっている音楽だが そこには情緒性などはあまり加味されず 精神の高揚 いわゆる 

「ハイになる」

のが メインの音楽。演奏も機械で行われ かかる場所は 一般的な場所 というか 若い人が多く 暴力などもよく見られる場所だったりすることが多い。

対して 彼が目指すクラシック音楽は とても女性的 情緒的 かつ ハイクラスとでも 言えるもの。

男性性と女性性、理性と情緒、一般的とハイクラス。

クラシック音楽の コンサートピアニストになることを 目指していても それでも トマは テクノを聞き続ける。それは 単に習慣からなのか それとも トマは 結局裏社会から逃れられない ということを 示唆しているのだろうか。

そして この裏社会は父に属し ピアノは亡くなった母に属している。

父と母もまた対象的な存在で、 ピアニストになることは 父の社会を捨てること。トマは 父を選ぶか 母を選ぶか 二者択一を迫られている。現にトマがピアニストになる と 報告すると 父は 母がどうなったか見ろ と 不機嫌になる。

そして 最初にトマの友人が長々と語る話の中で 父親と子供の立場が反転する ということが 映画の中心になっている。つまり トマは 周囲から父の面倒をみることを期待されている (もしくはそう感じている) のであり ピアニストになることは 父を捨てることを意味している。

この2点から トマは今生きている父と 既に亡くなっている母の世界の間で煩悶している。

自分の夢のために 父を捨てるか 徐々に弱り かつてのような力のない 面倒をみなくてはならない存在となりつつある父のために 母を捨てるか である。

トマが暮らす環境も 対比がはっきりと描かれている。

暴力に満ちた 裏社会と 光にあふれる 音楽の世界。

トマがビジネスのために暴力を振るい 不法行為を繰り返すのは 多くが夜で いつも暗い。
友人を家に送るのも 夜。
ピアノの練習をするのも夜。
トマが 裏社会に生きているのを象徴するかのように トマは夜に生きている。

それと反対に トマが紹介された 中国人ピアニストの住まいは 狭いながらも白をベースにした 清潔な部屋。
窓からは光が入り トマは光の中で ピアノの練習をする。
レッスンの後 フランス語を教えながら お茶を飲むキッチンも 白い印象が強い。

彼にとって ピアノは光であり 表社会へのパスポートである というのを 意味しているのか。

二つの世界は トマの前で平行し トマは表社会へ進んで行こうとする。

ラストは そう終わるの?と 予想だにしていなかった 形で閉じられる。

世の中奇跡は起こらない ということなのだろうか。

それとも 今まで育ってきたところからは 結局はぬけられない ということなのだろうか。

最後で トマのとった解決策で 彼が完全には裏社会にはそまりきっていなかったことがわかる。 

ハリウッド映画のように 全ては理想どおりに運ばないのが人生。
奇跡が起こらなくても それでも それはそれなりにいいのだ。 
何もかもが完璧でなくても それでもいいのだ。 
努力をしてみること 光を見ようとあがくことだけでも 価値があるのではないか。

全てがばら色に成功することばかりを描きがちな映画が多い中 大人の視点に立った映画を観たような気がする。
英語タイトルは The beat my heart skipped という。
ピアノに再会し ピアニストになるという忘れかけていた夢への可能性に出会い 心躍ったことが 過去形で表されている事から この夢がかなわなかった と 判断するべきなのだろう。映画の内容を ちょっとばらしているかもしれないので 日本のタイトルの方が よいようにもおもう。
しかし フランス語原題は また少々違い De battre mon coeur s'est arrêté となっており これって skipでいいの?と よくフランス語を知らないので 不確かながら思う。

主演の ロマン・デュリスは スパニッシュ・アパートメントで モラトリアム青年を演じており その明るさが記憶にあるが その後 Exilsという フランス移民の第二世代が故郷アルジェリアに帰る という ロードムービーに主演しており その暴力性に当惑したものの これもよい映画だった。

ちなみに 原作はアメリカ作品で Mad Fingers という。
オリジナルは未見だけれど 原作の欠点を補うようにした という インタビューがあった。そのうち DVDを見かけたら比較のために観てみたい。

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| エイガ | 14:19 | comments:6 | trackbacks:0 | TOP↑

この方の

怪盗ルパンにメロメロになったんです。
ルパン三世が大好きでなんですがって関係ないんですがw ま、おじいちゃんなんで。
ポ~ッっとなってました、しばらくw

でも面白そうな映画ですね~。コレも要チェック!
ってありすぎて大変です~。

| おこうちゃん | 2007/01/23 23:01 | URL |

おこうちゃんさんへ

そんな映画 やったって確かにインタビューで書いてありました!でも ヨーロピアンが多くても ヨーロッパ映画に冷たいこの国では 観る機会も 少なくてv-12

映画 観るのが多すぎて 私も大変です~。

| プリシラ | 2007/01/24 08:37 | URL |

これ見ました

なんかよくワカラネエ映画だ、と思いながら。
二つの違った世界を普通に行き交っている主人公ですが、見事に思惑通りに行かず。
こういうのを見るといつも、狙いは何だ?? とか思ってしまう。

なんか分かるようで、分からないところが、居心地悪い……。

| siorin | 2007/01/24 15:32 | URL | ≫ EDIT

Siorinさんへ

お、レンタルしたんですか?一体どうして?って 興味があったから しかないですけどもw

70年代の映画が元なので 王道の 「努力が実って 成功する」ではないことに 意義があるのでは? 世の中 そんな映画みたいには いかないもんだよ と。すかっとしたいから 映画を観る という風潮に反抗した 時期です。最近 また そんな雰囲気があるので これまた 「そんなんばっかりかよ」 みたいな。 そういう どっちつかずが またフランスっぽくて (というか ヨーロッパぽくて) 好きです。

| プリシラ | 2007/01/24 21:43 | URL |

いえいえ

よくDVD鑑賞会するんですよ。
映画選択権は旦那兄が握ってますので、おやっ? ってのがある場合は、旦那兄が情報源なことが多い。
でもその上限はトマトなんですけど。
(なぜトマトで、星じゃないのか分からないけど、トマトの数で映画を評価するサイトがあるんですね)

ヨーロッパとか、日本とかもそうだけど、スッキリしない系の映画多いみたいですね。
現実見ても一緒なんで、だったら何の意味が……、と考えてしまう私がいます。
そうだよねえ、と心の中で頷くのかな。

| siorin | 2007/01/25 11:34 | URL | ≫ EDIT

Siorinさんへ

それ Rotten Tomatoes で 前は参考にしてたけど 最近は素人スコアラーが多くて あてになりませぬ。

映画は好みなので 現実と違って スカッとしたい人 と 自分の違う視点から 日常を切り取って見せて欲しい人 と 二手にわかれるような気がします。どちらがいいとは言わないけれど 多くは前者かな?と。

ヨーロッパのバカ映画というと ジェボーダンの獣っていうのがありました。そのまんま 獣が出るんです!いや、まさか 本当に獣がいるとは思わなかったので ビックリ。そして そこで ネイティブアメリカンを演じているいい男が いまや アメリカンアイアンシェフの司会・・・。

| プリシラ | 2007/01/25 12:53 | URL |















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