Lost in Australia 

オーストラリアから 映画と英語と暮らしのことなど 色々と

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ボルヴェール(帰郷) - 女に生まれて ヨカッタ

女性を愛し 尊重する アルモドバルの女性賛歌

Volver ポスター


アルモドバルの最新作で カンヌで主役の女性たちが 合同で主演女優賞を受賞した というくらい 女性中心の映画

何せ出てくる男たち どいつもこいつもろくでなし。
唯一いい人そうな男性も ほんのちょっとの出演だけで その後 ストーリーには影響なし。

男になんて 興味ない。
女性たちの姿にだけ 興味があるんだ!

と 叫んでいるかのような アルモドバル
男が嫌いなんだろうか ゲイなのにw

というのではなくて 人物を描くときに 多分女性の方が 多層的 かつ 複雑な要素を入れやすいので どうしても そうなってしまうのでしょう。
後 最近お母さんを亡くしたそうで お母さんに対する 惜別の念もあったのでしょう。
それくらい 母親 という 姿 その思いを 入念に描いています。

女性たちの 関係の 中心は この母と娘 ですが 姉妹 叔母 友人 ご近所さん などなど 様々な関係が 互いにからみあって描かれます。

それにしても スペインの女性たちの 活気があること!
どんな苦境にあっても 生きる気力を失わない どっしりと血に足の着いた女性像を描いており 観ているだけで 頑張ろう という 気にさせられました。

人生 色々あるし 踏みつけにされるようなこともある。
だけど お互い 思いやって 助け合っていくのが 女同士。

フランスとか ヨーロッパって こうした 女性同士 欲とか抜きで 助けあう 思いやる という パターンが多いような気がします。
アメリカだと 互いに憎しみあったり 欲のために 助け合ったり してることが多いけど アメリカ人は女性恐怖症なのかしら?

これを観た男性は

「やっぱり 女には 敵わない・・・」

と 思ってしまうかも。
骨太 かつ 軽妙 という 微妙なバランスを保つ アルモドバル。次回作も今から早くも楽しみです。

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この映画 前作 Bad Education が どちらかというと 重い作品だったせいでしょうか 全体的に 軽めなタッチです。
まあ All About My Mother や Talk to Herなんかも ある意味 軽いタッチはありましたが 全体を通じて底には 何か暗いものが流れているのは 感じられました。
その 暗いものと明るいものが 共存している スペイン。
舞台は ラ・マンチャ と マドリードを行き来します。
その二つの都市を結ぶのが 古くからラ・マンチャに残る言い伝え。

死者が 戻ってきて 生きている人の前に現れる。
映画のタイトルは この言い伝えから来ています。
英語でそのまんま Return となります。

恨みがあるのではなくて ただ 心残りがあったり 生きている子供の面倒を見たい とか あくまでも まるで 肉体は一応滅びても 魂は残り その想いが 形になって現れるという感じです。
とても 不思議ですが 日本でも 亡くなった御母さんが乳児にお乳をやった という 怪談ありましたね。あんなとこでしょうか。

そして誰が帰ってくるかというと 主人公姉妹の前に 随分と前に火事で亡くなったはずの お母さんです。といっても 妹を始めとして全ての人の前に現れるのに ペネロペ・クルス 演じる姉娘 ライムンダの前にだけは 姿を現しません。そこに 何か秘密があるのだ と 思う人は鋭い。

ライムンダにも 娘がおり 彼女が事件を起こします。
その始末の仕方にも 母の強さを見せ付けられ 姉同様に オトコ運のない 妹セレも 勝手に家で美容室開いて 生活費を稼ぐ など 本当にスペイン人ってたくましい!

ライムンダの隣人たちも 個性豊か。
特に パートタイムで娼婦をやってる女性。
文句いいつつも なんだかんだと ライムンダの頼みごとを聞いてくれるし 回りの女性たちも ライムンダの冷蔵庫を動かさなくちゃ というお願いに こぞって協力。
そこには 男性の姿など かけらもなく 頼れるのはお互いよね という 強固な絆が見えます。

これって スペインだけなのかな とも 思いますが 以前に見た Caosという フランス映画でも 同様な女性の強い絆が見られました。
先日 オーストラリアの マリー・クレールで 公園デビューの話しが取り上げられ 殺人事件について 記事の大半が割かれていたのですが 少しだけ 公園ママたちの関係は 互助システムのようなもので 受け入れられるとこれほど 頼りになるものはない と ありました。多分 そういう感覚で だけど お互いに見張りあったり 張り合うようなことはなく ただただ 優しいおおらかな気持ちだけで つながった 英語で言うと Sisterhoodにより 結ばれた仲 というところで 本当に羨ましくなりました。

母の帰還により 全ての歯車が回転し始めるのですが 映画野中には 恋愛なんかは 全然なく 描かれる関係は 例えば ライムンダ と 妹ソレの間にある 微妙な競争。
 
ライムンダは美人だけど ソレは普通の容姿。
だけど ライムンダは気分屋で セレはどうしてかわからない。
なぜか ライムンダは叔母の家に預けられ ソレは実家にいた。
ライムンダは どうしてか 母親と疎遠で だけど 母性本能は豊か。

ライムンダと ライムンダの娘 パウラは 最初は普通の母子としか 見えず だけれど ある事件をきっかけに 二人の関係は強固になり パウラは母の知らなかった過去を 少しずつ知るようになり それにつれて 一度も会ったことのない 祖母のこと 後に彼女自身 祖母に会い 二人の間に何かあったことを知る。

そして 死んだはずの 二人のお母さん イレーネ。
このイレーネの登場は 絶品でした。
大声で笑うのではなく くすくす笑いを誘います。

イレーネがやり残したことは なんだろう というのが この映画の最大の謎ですが それは ゆっくりと解かれていき カンの鋭い人ならば 最初のほうでわかってしまうと思いますが それでも この イレーネの後悔と 娘たち、特にライムンダを思う気持ち そして 生きている間には和解できなかった 母へのライムンダの気持ちが 母であるライムンダの パウラへの想い 彼女を守ろうとする 強い気持ちへと つながり最後まで 映画を推進していく原動力となっています。

そして 二人の叔母を看取ってくれた ラ・マンチャに住むアグスティーナの 彼女の行方不明になった母への想い その行方をつきとめたい という 強い気持ちが 映画を違った方向へと運び それでいて 全ての要素を一つにする 要となっています。

本当によく出来た作品で 確かに前の作品と比べると 衝撃的なドラマ性 (ある意味 色々予想できる範囲内で 出来事が進む) や 何か現代社会を切り取る鋭さ と言った物は それほど見られませんが  それでも この女性たちへ向ける アルモドバルの優しい 愛情こもったまなざしを 感じられることだけで この映画を観た価値があるように思います。

最近 女性というものは 自分の中の野性 男性性などを 肯定しているか もしくは 男性から見た 性的存在であることに こだわり 本来の女性性を忘れているように感じられます。
そんな中で この映画は 女性が本来持っている 性的存在ではない 女性らしさ、例えば

包容力 

相手を許す優しさ 

過去を過去として 前へ進む 強さと柔軟性

といったものを描こうとし そうしたものは 恐らく 女性監督では 描けなかったかもしれないな と 改めて感じました。

ペネロペ・クルスの演技も注目ものです。
最初は 妹役をオファーされたそうですが 敢えて 生活に疲れた中年にさしかかった (それでも ものすごく キレイですが) 一児の母を演じており 目の脇にある イボも 皺も見せています。
単に美人じゃない 演技もできる と ハリウッドで無視された 演技力を見せつけ 歌声まで披露してくれました。

↓主演女優揃い踏み
Volver女優たち

左からパウラ(Yohana Cobo)、ライムンダ(Penerope Cruz)、イレーネ(Carmen Maura)、アグスティーナ(Blanca Portillo)、ソレ(ソレダッドが本名:Lola Duenas)

お母さん役のCarmen Maura、実際はもっと若いんですね、ビックリ。

スペインだからか アルモドバルだからか (多分後者) 衣装も派手派手で メインストリームのハリウッド映画にはない色調の服装 組み合わせです。
例えば

上の写真のペネロペは 赤白チェックの上着の下に 水色のキャミソールを着て よく見えないけれど 柄物のスカート履いてたり

Volver ポスター


ペネロペ2

紫と緑の組み合わせとか
ペネロペ3

ピンクっぽいワンピースの上に 紫色のセーター重ね着したり
ペネロペ4

黒地に 華やかな花柄のドレスとか。

いつも 赤いバッグ持ってたりと ファッション大魔神の方には 怒られそうな組み合わせですが 黒髪のせいか とても似合っています。真似するのはちょっと難しそうだけど。

マリー・アントワネットが 「少女映画」 だとしたら Volverは 「女性のための映画」で 年をとってしまった自分には やっぱり 女性のための映画の方が 趣味に合いました。

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| エイガ | 20:02 | comments:6 | trackbacks:2 | TOP↑

すごく観たいんです。

さすが、アルモドバル監督でしょうか。
色使いが「神経衰弱~」チックなので、ドキドキ。
楽しみです~。

実は最近、スペイン製の紫のバッグとルーマニア製の緑のマフラーがお気に入りで、よく組合わせていて。
他は地味にしてるので、大丈夫かな?とちょと不安になりましたw
だって、色がほぼ同じなんですw 
でも日本では、なかなか売ってない可愛さにヤラれちゃってます。

| おこうちゃん | 2007/01/29 01:03 | URL |

おこうちゃんさんへ

色使い 赤がとっても 効いています!
血の赤なんですが その辺で 映画中で ものすごい いい台詞があったんですよ~。付け足しておこうっと。

ルーマニア製の緑のマフラー いいですね。おこうちゃんさんは きっと 性格的にも ラテンなカンジします。きっぷがいいっていうか。関西の方なのに!

| プリシラ | 2007/01/29 10:11 | URL |

ああーアルモドバル

こんにちは。
コメントありがとうございました。
私も最近アルモドバル映画が好きという
日記を書いたんです。
プリシラさんのブログでも
アルモドバル映画があって感激
さっそくコメントさせてもらいました。

アルモドバルの映画に出てくる
女の人は負けませんね。
見ていて気持ちが良いです。

| usamsmb | 2007/02/01 15:28 | URL | ≫ EDIT

usamsmbさんへ

お久しぶりです。

そうそう、観させていただきました。アルモドバル、デビューの頃の映画は 実はあんまり好きじゃありませんでした。

アタメ!辺りからいいな って 思うようになって ライブフレッシュでどかんと来ました。原作がよくわからなかったけれど 映画の方がなんとなく 感ずるものがあったんですよね~。

| プリシラ | 2007/02/01 23:11 | URL |

こんにちは。
そうですね、マリーアントワネットは完全に乙女チックな少女映画。こちらは大人の女性に贈りたい映画というのは納得です。
初期のアルモドバル作品も観直したくなりました。

| mig | 2007/06/22 11:52 | URL |

migさんへ

こんにちは。

マリー・アントワネットは おままごとっぽく それはそれで 楽しめると思うのですが やはり ドラマ性としてはラテンに敵いませんよね。

初期のアルモドバルって そんなに好きじゃなかったんですが ライブ・フレッシュで 見直したので もう一度借りてみようかな と 思いました。

| プリシラ | 2007/06/22 21:33 | URL |















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『ボルベール<帰郷>』

ボルベール 帰郷 (原題:Volver)----アルモドバルって女性ばかり撮っている気がするニャあ。「うん。そのイメージが強いね。今回も男たちは一様にその生きざまは薄汚く、反面、女たちは強くたくましい。しかも男たちは、その行為の罰を女たちから与えられ、早々と舞台か

| ラムの大通り | 2007/04/11 22:38 |

『ボルベール<帰郷>』を試写会で。

娘は母に、母は娘に帰郷する。 嫌いな梅雨入りに体調不良。あまり乗り気ではなかった試写会でしたが、観て良かったと思える映画。特に女性の方には、必見のお薦め映画であります。 監督は『トーク・トゥ・ハー』

| TATSUYAのシネマコンプレックス | 2007/06/15 17:33 |

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