夏逆戻りの
ブリスベンからこんにちは。
暑いです。
暑いので うちの
猫はいつもひっくり返っています。
床のタイルが気持ちいいらしいです。
さて うちのアパートは珍しいことにペット可。
前の住人も
猫を飼ってたらしいのですが 一階のおばちゃんの家にも
猫が一匹。
その名も ババ。
バーバラの愛称らしいのですが 年齢19歳だけに 婆という言葉があてはまります。
ババちゃん 前は飼い主が出かけるときには前にお隣に住んでたおばちゃんが面倒みてたのですが 昨年 このおばちゃん(わかりづらいので それぞれ頭文字をとって こちらをV とし 飼い主をMとしましょう)があわくって我が家へ飛んできました。
「ババが動かないのよ…死ぬのかも…」
おっかなびっくりそれを見に行ったAですが 戻ってきて一言。
「あれは長くないね…」
しかしそれから1年が経ちますが ババはとりあえず生きてます。
しぶとい。
しぶといもさることながら そんな状態になったババなのに 半年くらい前から盛り返した。
前は外なんか出ることがなかったのに うちの
猫が外から覗いていたりしたり 前庭でひなたぼっこしてたりしたら 威嚇したりするからでしょうか。
ババは年の功でものすごい気迫で うちのどら
猫を威嚇し返し その後 夜外遊びに出かけたり 今までは乗ることのなかったテーブルに飛び乗ったり と 元気になった と 報告を受けました。
Aが それを聞いて一言。
「死ぬ前の最後の輝き ってとこなのかな…」
しかし半年が経ち おばちゃんMと立ち話をしても
「あの病院は高いから 行っちゃダメ」
という話は聞くけど ババが死にそうだ なんて話はとんとなし。
そのさなか またもやおばちゃんMは週末どこかへ泊まりで行くので 不在の間 ババに餌をやってほしい と Aが頼まれた。
Aが頼まれても面倒をみるのは私。
なぜなら
「あのうちは臭いからヤダ」
だそう。
いやなら引き受けないでください。
しかし自分の魚の面倒をみてもらったので断るわけにはいかないらしい。
とりあえず
猫はかわいいので面倒は我慢してみることにしました。
鍵を開けようとドアをガチャガチャやってると 我が家の猫が忍び寄り不審そう。
何してんの!と言わんばかり。
いざ入ってみると ピアノの前で突っ伏して寝てるババ。
まさか死んでるのでは…
と ドキドキしながら様子をうかがうと 目をあけた。
いつも舌の先っちょが出てるけど どうやら元気そう。
餌と水はたっぷりあるけど 水入れが汚いので洗ってやり どうせ老い先長くないならたまにはおいしいものでも食べさせてやろう と 自分の猫に
「いたずらしないんだよ」
と言い聞かせて 我が家用のダイエット・ドライフードを少しやってみた。
鼻の先に一つかがせてみた。
ふんふんふん…と においを嗅いで 餌置場の台所までよろよろとやってくるババ。
「ああ ババはやっぱり老い先短いのね こんなにヨロヨロで…」
と可哀想になった。
ババはとりあえず一皿ぺろりとたいらげて 元通りピアノの前に座ったのを見届け トイレ掃除をしてから なでなでしてその日は終了。
次の朝も トイレと餌やりに。
当然Aは 行きたがらない。
引き受けたのに行かないなんてズルイ。
ズルイというか無責任 と思うけど ほうっておいたら文句言うばかりで何もしないだろうから それ見てイライラするより自分で全部した方が早い。
とりあえず 昨日やったのがなくなったので 違うドライフードをやることに。
やっぱり放置されてるフードは酸化しててまずいだろうし ババちゃん 少しは猫生 楽しみがあった方がいいよね。
封をあけたての 「好みがうるさい猫用」ドライフードを一食分 小皿に入れて持っていき トイレが汚れたのを取り替えてから (しかも気に入らなかったのか トイレの外側でしてた) ドライフードを見せると。
ババがものすごいスピードで歩いた。
それは普通の猫のスピードで 足を引きずっている様子なんてほとんどしないくらい。
小皿を手にし ババの前を通り過ぎ 台所へ入り
「さ ババ ゴハン」
と言いかけたときには すでに足もとに。
早くおいしいのチョーダイ
と言わんばかりに鳴いている。
小皿を置いてやると 食べるスピードも尋常じゃない。
いわゆる がっつき状態。
あっという間に一皿平らげて もう少し欲しそうなくらい。
しかしあんまり食べすぎて具合が悪くなっても困るので それでおしまいにして しばらくなでなでしてたら寝てしまいました。
年寄りに暑さはこたえるらしい。
お昼すぎ おばちゃんMが帰ってきて ありがとう と 言われたのですが Aがまた
「あれ 年より用の特別フードだから 今度買ってきてあげるよ」
といらない約束しており ああ また口だけで忘れるんだろうな~ と 思いつつ それを思い出させるべきかどうかちょっと迷う。
とりあえず ババちゃん 最後くらい楽しく過ごせればいいのかな。
Aは
「あんなになって生きてるなんて可哀想に…リューマチが痛いのに お金ないからって痛み止めもやらないなんて 安楽死させてやったほうがいいのに…」
と言ってますが あのときの餌までの歩みの早さとがっつきを見たら 安楽死どころかババちゃん あと5年は生きそうです。
ババちゃん 今 19歳。
あと5年生きたら24歳。
尻尾の先はまだ割れてません。