上品にいえば
解放後ロシアのモラル崩壊を背景に
崩れかかった夫婦の絆が
ロシアにはびこる麻薬取引と
それにまつわる事件と共に回復される過程を築く
てなところなのでしょうが
主役の二人がもう アメリカンでアメリカンで…。
ウディ・ハレルソンって胡散臭い役が多かったけど
最近では『7つの贈り物』とか善人の役も増えており
今回もその一つ。
鉄道オタクの善良なクリスチャンで
性生活もきっちりした 模範的なアメリカン。
いつもポジティブで 他人ともすぐに仲良くなれる
よきアメリカン。
それが妻のジェシーには物足りない。
奔放な過去を送っていたが 今は善良なアメリカン模範生活を送り
理想的な夫婦関係を築いているようだけれど
なんとなく性的に物足りなく感じている。
そんなところへ セクシーなスペイン人 カルロスが列車に同乗してきた。
距離を置く彼女のアビーにかかわりなく
カルロスはどんどんジェシーに取りいっていく。
調子のよいカルロスに乗せられていくジェシー。
彼女アビーがいるというのに二人でデート。
この映画この辺まではとってもよかった。
ウディ演じる まっとうなロイがいながら
セクシーで怪しげなカルロスに惹かれていくジェシー。
ロイとジェシーが寝ているのをいいことに
ことに及ぶのを目撃するジェシーと
それがわかっていてもやめないカルロス。
純真そうなエミリー・モーティマーの容姿がまた
この葛藤を興味深いものにしています。
こんな純真そうな真面目そうな女性が実は…みたいな
男性の妄想満開です。
でも結局ジェシーは誘惑にうちかって
モラルを取り戻すわけですが
そこからちょっと話は緩慢というか
ステレオタイプなものになっていく。
最初に登場したベン・キングズレーの演じる麻薬捜査官とか
サスペンスを盛り上げ ラストのアクションを作り出し
現代のロシアにはびこる問題を浮き彫りにする
という狙いはわかるのだけど
色々と詰め込みすぎてどれも活かされていないような。
どうせならもっとどんでん返しを入れるとか
でもいいような気もします。
アクション映画 サスペンス映画としてみると
ちょっと不満の残る内容ですが
俳優さんとしては満足。
いつもどこかしら満たされない雰囲気をたたえた
エミリー・モーティマーも
裏表のない善良なアメリカ人そのものを感じさせる
ウディ・ハレルソンも
あやしげなスペイン人の エドゥアルド・ノリエガも
何か秘密を抱えたような ケイト・マーラも
そして 最近は常に怪しげな役を演じる ベン・キングズレーも
どの人もよかった。
内容も
夫婦生活の微妙な危機と
女性の抱える満たされない性欲
誘惑とそれにうちかつアメリカ的制御と
しかし 一瞬でも誘惑に負けたことを罰し
(女性二人はともに悲惨な目に遭っている)
それを救うのは まっとうなアメリカンであるウディ。
結局ジェシーは まっとうなアメリカ的価値観に戻ることで
心の平安を取り戻す
と 教条的な内容かも
とか深読みしながら観ると また違ったものに思えます。
絶対そんなことないと思うけど。